2015年07月18日

(憲法)人権の享有主体性について




日本国憲法には素晴らしい人権規定がいくつも列挙されていますね。(素晴らしいかどうかは人によりけりですが…)



でもこの憲法で保障されている人権は、様々な理由により、無条件に誰に対しても何に対しても保障されるというわけではないんですね〜。



人権を享有する主体とその範囲についてをお話していきます。具体的には、「天皇」・「未成年」・「法人」・「外国人」が問題となります。




1、天皇の人権享有主体性



肯定説、否定説、折衷説がありますが、天皇という極めて特殊な地位から、全ての人権の享有主体となるわけではありません。



制限される人権
・選挙権・被選挙権
・政党加入の自由
・外国移住の自由
・職業選択の自由
・学問の自由
・表現の自由 などがあります。




2、未成年の人権享有主体性



未成年者も成年者と同様に日本国民ですので、当然に人権享有主体性は肯定することができます。しかしながら、成年者とは違い、判断能力がまだ成熟しきっていないという観点から、一定程度の制約を受けることがあります。⇒パターナリスティックな制約



※パターナリスティックな制約
個人の自己決定権に対して、公権力が自己加害の防止目的で課す制約です。原則的にはできないとされていますが、例えば、未成年者の自立を助長・促進するような場合は例外的にできるとされています。



具体例
未成年者飲酒禁止法
未成年者喫煙禁止法
青少年保護育成条例など…




3、法人の人権享有主体性



法人にも人権の享有主体性は認められるでしょうか。この点、肯定説と否定説があります。



肯定説:法人にも基本的人権の保障は及ぶが、それは性質上可能な限りにおいてである。


否定説:法人には基本的人権の保障は及ばない。



肯定説の理由は、法人の活動による利益は個人に還元され、また、法人も自然人と同じく社会的な実態を備えた社会の重要な構成要素であるから、というものです。否定説の理由は、元来、人権というものは、自然人を対象に認められてきたものであり、法人の利益は自然人に還元されるのだから自然人のみに認めれば十分である、というものです。



この点、最高裁は、肯定説の立場から、次のように述べています。



八幡製鉄事件(最大判昭45年6月24日)
「憲法第3章に定める国民の権利および義務の各条項は、性質上可能なかぎり、内国の法人にも適用されるものと解すべきであるから、会社は、自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有するのである。政治資金の寄附もまさにその自由の一環であり、会社によってそれがなされた場合、政治の動向に影響を与えることがあつたとしても、これを自然人たる国民による寄附と別異に扱うべき憲法上の要請があるものではない。」




この判例は、八幡製鉄という会社が、特定の政党に政治献金をし、それに対して株主が株主代表訴訟を起こしたという事案に対するものです。これによれば、性質上可能な限り、法人にも人権の享有主体性が認められるということになります。(性質説
そして、この判例は、会社の権利能力を定款所定の目的の範囲内であるとし、政治献金を目的の範囲内であるとしました。



続きは次回で…
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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 21:06 | (憲法)人権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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