2013年09月07日

(憲法)警察予備隊違憲訴訟



こんばんわ^^


最近何やら「竜巻」がよく発生して被害が出ているようですね。竜巻なんてアメリカだけの話かと思いきや、まさか日本でこんなに被害を出すことになろうなんて…
皆さんも用心してください。と言ってもどのように用心すればいいのか分かりませんが…


では、本日は我が国日本における裁判所が持つ強力な権利である「違憲審査権」についてです。


日本国憲法第81条  
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

※条文上は最高裁判所にのみ違憲審査権があるように読めますが、下級裁判所にも違憲審査権はあります(最大判昭25.2.1)



憲法は第98条において、その最高法規性を謳い、法令その他国の行為は憲法に反することができません。全ては憲法の範囲内においてでしかすることはできないのです。


であれば、それを最終的にチェックする制度が必要になります。それが違憲審査制というわけです。それを裁判所が担っているわけです。


違憲審査制は裁判所を介して各種憲法上の国民の権利を保障することに意味があります。

第98条  
この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。



【事例】
旧社会党の党員であるAは当時存在した警察予備隊の設置・維持に関する国の行為一切は憲法9条に違反するとして無効の確認を求めると供に、具体的な訴訟に関連していなくても裁判所が違憲審査権を直接適用するのは当然である旨を主張しました。

 ※警察予備隊…戦後に治安維持と防衛のために設置され、警察力を有していました。しかし、実際は陸軍的な要素を持ち、現在の自衛隊の前身とされています。

日本国憲法第9条  
1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。



まず、判例は何と言ったのかを最初に紹介いたします。


わが裁判所が現行の制度上与えられているのは司法権を行う権限であり、そして司法権が発動するためには具体的な争訟事件が提起されることを必要とする。我が裁判所は具体的な争訟事件が提起されないのに将来を予想して憲法及びその他の法律命令等の解釈に対し存在する疑義論争に関し抽象的な判断を下すごとき権限を行い得るものではない。けだし最高裁判所は法律命令等に関し違憲審査権を有するが、この権限は司法権の範囲内において行使されるものであり、この点においては最高裁判所と下級裁判所との間に異るところはないのである…要するにわが現行の制度の下においては、特定の者の具体的な法律関係につき紛争の存する場合においてのみ裁判所にその判断を求めることができるのであり、裁判所がかような具体的事件を離れて抽象的に法律命令等の合憲性を判断する権限を有するとの見解には、憲法上及び法令上何等の根拠も存しない。


一部を抽出しましたが、このように述べています。


簡単に言いますと…裁判所の違憲審査権は司法権の範囲内でのみ行使できるのであり、具体的な事件・紛争が何も起きていないのに抽象的に憲法判断をすることは日本においては予定されていない。こんな感じでしょうか。(司法権とは…


この判例は、日本の違憲審査制は抽象的違憲審査制ではなく、付随的違憲審査制であると判旨しています。


付随的違憲審査制…具体的な訴訟事件が前提としてあり、その解決に必要な限りにおいて違憲審査権を行使できる(アメリカ、日本など)

抽象的違憲審査制…具体的な訴訟事件が存在していなくても、裁判所が法令等について違憲審査権を行使することができる。(ドイツ、イタリアなど)


事例はAが特段具体的な事件が何も起きていないのにも関わらず、警察予備隊は違憲だ!判断しろ!と言って提訴したわけなんですが、日本は上述の通り付随的違憲審査制を取るので、憲法判断はできません!と結局却下判決となりました。


付随的違憲審査制を取る理由としては、

・憲法第81条は第6章の「司法」に規定されている
・民主主義社会においては裁判所が持つ違憲審査権は抑制的であるべきである。
・抽象的違憲審査制を認めてしまうと、裁判所に消極的な立法作用を認めてしまう事になり三権分立の原則に反する。(一般的効力説による)



等があります。


ちなみに、違憲と判断された法令等はどうなるのでしょうか?


個別的効力説…違憲と判断されれば、当該事件に限ってのみ無効となり、当該違憲とされた法令等は一般的に効力を否定されない。国会の改正・廃止措置を受けて初めて効力を失う。
一般的効力説…違憲と判断されれば、国会の改正・廃止措置を待たずに確定的に無効となる。


付随的違憲審査制を取る日本においては、個別的効力説と結びつくのが当然のような気もしますが、実際は、違憲と判断された法令は、国会の改正・廃止措置があるまで事実上効力は失われます。そして、違憲判断は政府・国会に対して改正・廃止措置を要請するような力を持っていますので事実上は一般的効力説だという事ができるのではないでしょうか。


少しごちゃごちゃしていて難しく感じるかもしれませんが、大切なところですので、判例の内容は是非理解しておいてください^^




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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 20:36 | Comment(2) | TrackBack(0) | (憲法)統治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月01日

(憲法)パチンコ遊戯具通達課税事件



こんにちは。


本日2発目の更新となります。パチンコ通達課税についてです。


【事例】
旧物品税法においてパチンコ遊戯具は長年にわたり課税対象とされてこなかった。しかしながら、当時の国税庁長官は「パチンコ遊戯具は物品税法上の課税物権である‘遊戯具'にあたるので課税すべきである」という内容の通達を発しそれを根拠に課税処分が開始された。そこで、パチンコ台の製造業者Aは通達に基づく課税は租税法律主義を規定した憲法に反するとして課税処分の無効確認を求める訴えを提起した。


まず、この事例を解説するのに理解しておかなければならないことが3つほどあります。

1、物品税とは何?

2、通達って何?

3、租税法律主義って何?


です。


1、物品税について

特定の物品を対象として課税された国税でしたが、1989年の消費税導入に供なって廃止されました。旧物品税法は貴金属や車、毛皮、家具、時計など様々な物が課税対象として掲げられており、販売業者や製造業者に納税義務がありました。その中に課税対象として‘遊戯具'がありましたが、なぜかパチンコ遊戯具は対象外とされていました。


2、通達について

通達とは、行政機関内部において、上級機関が下級機関に対しその指揮監督関係に基づきその機関の所掌事務について示達するため発する一般的定めのことを言います。通達には様々な内容がありますが、その一つに法令の解釈があります。法律にはあいまいな部分が多分にあるので、行政が実際に法令の運用をするためにはそのあいまいな部分を明確にしなければなりません。そこで、法令の解釈内容を通達として下級行政機関に発するのです。
通達は、行政立法における行政規則と言われるものの一つで、あくまで行政機関の内部を規律するものであり、直接国民に対して義務を課したり、権利を制限するものではないので、法律の根拠なしに発することができます。故に行政事件訴訟法における「処分性」がないので取消訴訟で争うができません。
日本の行政において通達はきわめて広範かつ大量に発出されることから、行政実務上通達の果たす役割はとても大きいものがあります。また、通達は行政機関内部における指針に過ぎないとはいえ、行政機関がこれに沿って事務を行うことで、事実上新たに義務を課したり、規制を設けたのと同様な結果を招来することも少なくありません。これを「通達行政」と呼ぶことがあります。


3、租税法律主義について

日本国憲法においてはだ30条と84条で規定されており、租税を賦課・徴収する場合は、必ず国民の代表で構成される議会で定めた法律によらなければならないという原則を言います。

日本国憲法 第30条  
国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

日本国憲法 第84条
あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。



以上の3つを理解できたところで、本題に入ります。


この事件は、なぜかパチンコ台が長年課税されてこなかったことに問題があります。明らかに物品税法上の‘遊戯具’に当たりそうなものなのに当初から課税対象とされていなかったのです。そこで国税庁のトップは急に通達で課税しろと言ったわけです。


そりゃ〜パチンコ台の製造業者からすれば‘えっ何で??'ってなるのも分かりますが、結果はどなったのでしょうか。


判例は、この通達に基づく課税に関して何と判旨したかというと、

社会観念上普通に遊戯具とされているパチンコ球遊器が物品税法上の「遊戯具」のうちに含まれないと解することは困難であり…本件の課税がたまたま所論通達を機縁として行われたものであつても、通達の内容が法の正しい解釈に合致するものである以上、本件課税処分は法の根拠に基く処分と解するに妨げがなく、所論違憲の主張は、通達の内容が法の定めに合致しないことを前提とするものであつて、採用し得ない。


として原告は敗訴しました。


通達の内容が法の正しい解釈に合致していれば、通達課税は租税法律主義に反しない!ということです。


通達行政を拡大させたいお役所は‘ニヤッ'と笑ったのではないでしょうか?あま良い判例とは言えないような気がします。


通達一本で課税の内容が容易に変わってしまうことを許してしまうと、法的安定性や国民からすれば予見可能性を奪われてしまう危険があると思います。どういう場合に課税されどういう場合に課税されないのかが予め分かっていないと、国民は今回のように通達一本で予想外の被害を被ってしまうことになり、常に怯えながら経済活動をしなければならなくなってしまいます。


私などは、通達ではなくきっちりと法律を改正してから課税すべきものだったのではないかと思ってしまいますが、皆さんはいかがでしょうか?


ただ、パチンコ台に物品税がかけられていなかったのは明らかにおかしいと思いますので、結果的にこの通達課税は良かったと思いますが、それとこれとは話は別ですので…




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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 16:35 | Comment(1) | TrackBack(0) | (憲法)統治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月24日

(憲法)板まんだら事件



いやぁ〜、お盆を過ぎたというのにまだまだ暑い日が続きますね^^

皆さん、体調は大丈夫ですか?残暑はまだ続きそうなので、体調管理だけはしっかりしてください。


それでは本日は、有名な判例ですね。板まんだら事件についてです。


まずは日本国憲法第76条を見てみましょう。

第76条
すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

この通り、司法権は裁判所に属していますね。


司法とは、「具体的な争訟について、法を適用し、宣言することにより、これを裁定する国家作用のこと」ということができます。その権利は裁判所に属すると日本国憲法76条は言っているんですね。


では、この司法権とやらは全ての紛争について及ぶのでしょうか?「司法権の範囲」の話になります。


【事例】
創価学会(宗教団体)の元会員であるAは、ご本尊である「板まんだら」を安置する正本堂の建立資金として創価学会に寄付を行いました。しかし、Aは後に安置するはずの「板まんだら」は偽物であり、寄付をした行為は錯誤であり無効であると主張し、創価学会に対して不当利得返還請求訴訟を起こしました。果たして司法権を有する裁判所はこの事件を裁くことができるのか?

皆さんは、率直にどう思われます?

・偽物なんだから、普通に民法上の錯誤無効で不当利得返還請求は認められていいんじゃない?

・いやいや、なんか内容の核心部分が宗教チックだから、裁判所は出る幕ないんじゃない?

といろいろ思われるかもしれませんね。


この問題を解くには「司法権の範囲」について知っておく必要があります。


では、裁判所法第3条第1項を見てみましょう。

裁判所法第3条第1項 裁判所の権限
裁判所は、日本国憲法 に特別の定のある場合を除いて一切の法律上の争訟を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する。


ここに、一切の「法律上の争訟」を裁判し、とありますね。そうです。この「法律上の争訟」こそが今回のキーワードです。


紛争が「法律上の争訟」に該当しなければ、司法権は及ばないのです。(裁判所は判断しないんです)


では、この「法律上の争訟」とは何なのでしょうか?


判例は、

‘当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であつて、かつ、それが法令の適用により終局的に解決することができるもの’

としています。


1、具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争
2、法令の適用により終局的に解決することができるもの



この二つの要件を満たして初めて、司法権の対象となります。


今回の事例においてはどうでしょうか?

1については、
寄付行為(贈与)が錯誤により無効を理由に不当利得返還請求をしています。明らかに、具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争と言えるでしょう。(判例もそのように言っています)


2についてはどうでしょうか?果たして法令の適用により、終局的に解決をすることが可能なのでしょうか?

判例は、
「本件訴訟は、具体的な権利義務ないし法律関係に関する紛争の形式をとつており、その結果信仰の対象の価値又は宗教上の教義に関する判断は請求の当否を決するについての前提問題であるにとどまるものとされてはいるが、本件訴訟の帰すうを左右する必要不可欠のものと認められ、また、記録にあらわれた本件訴訟の経過に徴すると、本件訴訟の争点及び当事者の主張立証も右の判断に関するものがその核心となつていると認められることからすれば、結局本件訴訟は、その実質において法令の適用による終局的な解決の不可能なものであつて、裁判所法3条にいう法律上の争訟にあたらないものといわなければならない。」


このように示しました。


つまり、この事件は、板まんだらが本物なのか偽物なのかという宗教的なことが問題の核心部分であり、これが分からずして解決することはできないので、法令を適用して裁判所が判断して解決することは到底できません。(終局的に解決できない)としたのです。

1は満たすが2は満たさずに「法律上の争訟」には当たらずとして、却下とされてしまったんですね。(司法権の範囲外ということです)


裁判所といえども、宗教的なことは判断できませんし、したくもないんではないでしょうか?だからこのような結論となっております。


司法権が及ばないものは他にもたくさんありますが、今回はその中でも有名な「板まんだら事件」のお話でした。




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2013年07月21日

参議院選挙についてです。



おはようございます!


今日は参議院選挙です!


今回の参議院選挙は衆参の`ねじれ'が解消できるかどうか、政局が安定するかどうかが決まる大事な選挙で、国民の関心もかなり高まっています。


皆さん、選挙には行かれますか?是非、足を運んで投票してください^^


特に若い世代は選挙に行かない傾向がありますが、実はそれ損していることになりますので…



では、参議院選挙の仕組みについてです。


日本国憲法第47条には、
選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。

とあります。


これ受けて、公職選挙法には参議院の議員定数が定められておりますが、


現在、参議院の議員定数は242人となっており、その内訳は選挙区による選出⇒146人、比例代表による選出⇒96人となっております。


参議院は日本国憲法第46条において、
参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。


と定められておりますので、今回の選挙においては`半数'の121人が対象となります。つまり、選挙区において73人、比例区においては48人が当選することとなります。



では、有権者の皆さんは、今日どうやって投票すればいいのでしょうか?


皆さんは、今日計2回投票することとなります。


選挙区比例区の計2回です。


選挙区制においては各都道府県単位で改選数が定められており、私が済む愛知県においては改選数(定数)3人です。(今年は10人が立候補しているようです)


その他改選数(定数)は、東京は5人、大阪や神奈川などは4人となっております。


なので、有権者の皆さんはまず、1回目の投票においては選挙区の立候補者の中から1人だけ個人名を書くこととなります。(私の場合は10人の候補者の中から1人書くこととなります)


そして、得票数の多い候補者から当選する仕組みです。



では、比例代表制はどうでしょうか?


2回目の投票ですね。有権者の皆さんは`個人名'か`政党名'のどちらかを書くこととなりますので注意が必要です。


どういうことかというと、


参議院における比例代表制は衆議院のそれとは違い、非拘束名簿式を採用しているからなんです。


つまり、予め各政党の名簿の順位が決まっていないんです。決めるのは個人名を投票した有権者だという事になります。


各政党の議席数は政党名と個人名の得票数を合計して、ドント式という方法で決定されます。


各政党の議席数が決まれば、後は個人名での得票数が多い候補者から当選していくという方式です。


衆議院の比例選挙においては、拘束名簿式が採用されており、有権者は政党名でしか投票できず、名簿順位は各政党が決めてしまいますが、参議院については名簿順位も有権者が決めることができるのでその点、民意が反映されやすいと言えるのではないでしょうか。


政治は安定するに越したことはありません。是非とも国民の為になる結果となることを望みたいです^^




お読みいただきありがとうございました^^


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憲法理解のカギは判例にあり!
posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 08:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | (憲法)統治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月02日

(憲法)国会議員の免責特権



国会議員には免責特権なるものが認められています。

その内容は、第51条です。

(51条)
両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。


この条文の趣旨は、国会議員の議院での自由な発言等を保障し、責任を問われることはないとすることによって、審議体としての国会の機能を十分確保しようとするものです。


・免責の対象は誰?

衆参両議院→当然対象です。

国務大臣→対象にはなりません。(国務大臣兼国会議員の場合は国会議員としての発言等のみ免責特権の対象となる)

地方議員→対象とはならない。



・議院で行ったとは?

議院の活動であれば、会期中か否か、国会議事堂内かどうかは関係ない。

例えば、委員会での継続審議、参議院の緊急集会、地方公聴会等でも議院で行ったといえる。


・免責の対象となる行為は演説、討論又は表決に限定されるか?

限定されません。→国会議員の職務遂行に付随する行為も広く含みます。(判例)


・国会議員がその地位を失った場合は、在任中の発言等について責任を問えるか?

問えません。これを可能にしてしまうと、国会議員の活動を委縮させてしまうことになります。



・免責の内容は何?

国会議員が院外で問われない責任とは、一般国民であれば負うべき民事・刑事上の法的責任です。

例えば、名誉棄損による不法行為損害賠償責任(民事責任)/名誉棄損罪(刑事責任)です。


・国会議員が国会質疑等で人の名誉を侵害する発言等を行った場合、国会議員個人に法的責任を問う事はできるか?また、国家賠償責任は生じるのか?

(最判平9.9.9-病院長自殺事件)※抜粋
本件発言は、国会議員である被上告人竹村によって、国会議員としての職務を行うにつきされたものであることが明らかである。そうすると、仮に本件発言が被上告人竹村の故意又は過失による違法な行為であるとしても、被上告人国が賠償責任を負うことがあるのは格別、公務員である被上告人竹村個人は、上告人に対してその責任を負わないと解すべきである(最高裁昭和28年(オ)第625号同30年4月19日第3小法廷判決・民集9巻5号534頁、最高裁昭和49年(オ)第419号同53年10月20日第2小法廷判決・民集32巻7号1367頁参照)。したがって、本件発言が憲法51条に規定する「演説、討論又は表決」に該当するかどうかを論ずるまでもなく、上告人の被上告人竹村に対する本訴請求は理由がない〜

〜国会議員が国会で行った質疑等において、個別の国民の名誉や信用を低下させる発言があったとしても、これによって当然に国家賠償法1条1項の規定にいう違法な行為があったものとして国の損害賠償責任が生ずるものではなく、右責任が肯定されるためには、当該国会議員が、その職務とはかかわりなく違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、虚偽であることを知りながらあえてその事実を摘示するなど、国会議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情があることを必要とすると解するのが相当である。


以上から、国会議員個人は責任を負わないが、国の責任は特別の事情がある場合は生じる可能性があるとしています。


・政治的責任は負うか?

免責されるのはあくまで法的な責任であり、所属政党等の行う処分等の政治的・道義的責任は負うとしています。





お読みいただきありがとうございました。


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ラベル:免責特権
posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 13:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | (憲法)統治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月23日

(憲法)衆議院の解散権の憲法上の根拠


こんにちは。

今、「近いうち」解散があるのかどうか、世間では騒がれているようですが、

今日は衆議院の解散権の憲法上の根拠について、

学説上、衆議院の解散権は内閣に属するということに争いはありません。では、内閣に属するというその憲法上の根拠は何なのか?


7条3号説

制度説

65条説

69条説 があります。

7条3号説は、天皇の国事行為としての衆議院の解散は内閣の助言と承認の下で行われるということから、解散の実質的決定権は内閣にあるとするものです。

制度説は、憲法は議院内閣制を採用していて、内閣は国会に対して連帯して責任を負うとされています。これに対応するものとして、権力分立の見地から内閣に解散決定権を認めたものです。

65条説は、‘行政権は内閣に属する’とありますが、ここでいう行政権の意味は立法作用と司法作用を除いた残余の部分であり、解散は立法作用でも司法作用でもないので行政作用に属するということで、解散権は内閣に属するとするものです。

69条説は、条文にその根拠を求めています。衆議院により内閣不信任案が可決されるか信任案が否決された場合に、10日以内に衆議院を解散しなければ総辞職しなければならないという規定を根拠としています。


では、内閣はどういう場合に衆議院を解散することができるのか?

69条説では、解散が限定されてしまうことになりますが、他の場合ではどうでしょうか?

解散は国民に対して信を問う制度ですから、それなりにふさわしい理由がなくてはなりません。

学説上は以下の理由があげられています。

・衆議院で内閣の重要法案や予算が否決され、またはつぶされた場合
・政党の再編成などが行われ、その結果、衆議院の多数の支持を持たなくなった場合
・新たに政治上の重大事件が生じた場合
・内閣がその政策の根本的な変更を行おうとする場合

などがあります。

以下は解散に関する重要判例です。いわゆる統治行為論というやつです。是非おさえておきたいところです。

苫米地事件最大判昭35.6.8




以上、お読みいただきありがとうございました。



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ラベル:衆議院 解散
posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 12:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | (憲法)統治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月22日

(憲法)法律案の議決〜知識整理〜


まず、条文です。

憲法第59条 法律案の議決
1 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。

4 参議院が衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。



分かってるようで分かっていない人もいるんではないでしょうか?

1項について、憲法に特別の定めがある場合とは、衆議院の特別多数による再議決参議院の緊急集会が該当します。

2項について、法律案の議決についての衆議院の優越に関する規定です。

3項について、意外と要注意の条文です。法律案の場合、参議院で否決されれば、衆議院が両院協議会の開催を求めることができます。(任意的です。予算・条約の承認・内閣総理大臣の指名に関しては必要的です)

ちなみに、予算・条約の承認・内閣総理大臣の指名に関して、両院協議会が必要的となるのは参議院で否決された場合であり、参議院の法廷期間(30日・10日)の渡過による場合は、両院協議会は必要ありません。

4項について、法律案の場合は参議院の議決期間は60日です。この期間の渡過によって否決したこととなります。そのため、2項に戻ることとなり、衆議院の特別多数の再議決の対象となります。


この辺は、正確な条文の知識を叩き込むようにしましょう。




お読みいただきありがとうございました。

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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 08:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | (憲法)統治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月20日

(憲法)知識が無くても解ける問題


こんにちは。今日は憲法についてです。


憲法は深入りすればかなりの量になりますが、行政書士試験においてはそんなに深入りする必要はないと思います。条文と有名な判例、学説を押えておけば十分かと思います。


中にはサービス問題もあり、憲法についての知識が全くなくても解ける問題もあります。




平成12年の問題です。


次の記述のうち、「主権」という用語が他とは違う意味で使われているものはどれか。


1、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

2、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対応関係 に立とうとする各国の責務であると信ずる。

3、天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく

4、国民主権の原理は、国政が国民の厳粛な信託によるものであることを意味する。

5、高度の政治性を有する国家行為は司法審査になじまず、国会等の政治部門の、最終的には主権者たる国民の、政治責任において行われるべきである。



どれも難しい内容の文章ですが、これ、特に意味を考えなくても解てしまうんです。「主権」が何なのかが分かれば解けてしまいます。


1、は主権が「国民」にあると書いてあります。


2、は「国民」という単語は出てこず、その代りに「」という言葉が多く出てきます。


3、主権は日本「国民」にあると書いてあります。


4、初めから国民「主権」と書いてあります。


5、主権者たる「国民」と書いてあります。


以上から分かるように、明らかに2だけ仲間はずれですよね。


国語が分かれば秒殺の問題です。下手に意味を考えてしまうと時間がかかってしまします。


こういう問題はたまにありますので、時間をかけずにサッとこなして難しい問題に時間をかける方がいいです。




お読みいただきありがとうございました。


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